やさと雲龍石

 

茨城県石岡市の加波山から採掘されている常陸の銘石《やさとみかげ》。      

《やさと雲龍石》はその《やさとみかげ》と同じ丁場の一角から採掘される独特の石目模様を持つ御影石です。

 

 

自然が織りなす独自の流れ模様は実に美しく、《ノミ切り仕上げ》や《小タタキ仕上げ》と言った手仕上げを施す事で素材本来の持ち味が表現され、優雅な石塔となります。                                         

    ※あくまで自然の物につき、規則的にこの様な模様が出るとは限りません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                月刊石材 2022年3月号に掲載されました

 

【やさとみかげ】採掘・販売 株式会社石原石材様ホームページ

 

 

 

 

 

これまでに手掛けた『叩き仕上げ』の石塔

 

五輪塔 (羽黒糠目 茨城県) 小タタキ仕上げ

 

  五輪塔 (中国産白御影) ノミ切り仕上げ

 

宝篋印塔 (羽黒糠目 茨城県) ノミ切り仕上げ        宝篋印塔陽刻板碑 (磐梯石 宮城県) ノミ切り仕上げ

 

 

五輪塔 (やさとみかげ 茨城県) ノミ切り仕上げ

 

 

 《叩き仕上げ》の魅力とは

普段、皆さんが目にする石碑・石塔は研磨加工された物が一般的になっています。その為《御影石》=《光っている》そんなイメージを持たれていると思います。       石製品の仕上げには研磨仕上げの他にも、磨く前の段階の《小タタキ》、その前の段階の《ビシャン》、そのまた前の段階の《ノミ切り》と言ったそれぞれの段階で仕上げる《叩き仕上げ》、伝統技法でもある仕上げがあります。

 

《叩き仕上げ》、皆さんが良く目にする物と言えば、神社仏閣に見る《鳥居》・《燈籠》・古くに造られた《供養塔》などがあげられますが、さて、そういった古く、汚れの付いた石造物をご覧になられてどのように感じられるでしょうか?

 

例えば皆さんがお墓詣りに行かれたとします。ホコリや水垢などで汚れた墓石を見れば、《汚い》➞《洗わなきゃ》と思いますね。しかし、叩き仕上げの古い燈籠や苔生した石塔の場合は《汚い》と感じるよりも《凄い》・《素晴らしい》と感じられるのではないでしょうか。                                    叩き仕上げの石製品を手掛けている石工さん達は皆この様な事を言います。      『研磨仕上げの製品は、磨いて艶が出た時がピークであり、後は徐々に劣化して行くのみ。一方、叩き仕上げの製品は石工が形を造り、後は時が仕上げてくれる。時代が経つにつれて石材の風合い・趣が増すのだ。』と。                     これが叩き仕上げの魅力の一つと言えるでしょう。

 

しかしそうなると、残念ながら我々石工は自ら手掛けた製品の魅力を味わう事が出来ないのでは? いえいえ、形を仕上げた段階でも、十分に味わえる魅力もあります。    それは《質感》です。                              叩いた石面はザラザラですが、触れてみるとその肌触りはとても滑らか。そして実際にはありえませんが、石なのに《柔らか味》・《温かみ》すら感じられます。

 

現在、この様な叩き仕上げの出来る石工さんは多くありません。もし、近くの、又は通りがかりの石屋さんで叩き仕上げの製品を見かけたら、是非、触って・見て、その魅力を感じてください。(※触れる際はお店に声をかけてからにしてくださいね)        そして、叩き仕上げの魅力を実感して気に入っていただけたら、是非ご注文頂き、我々石工に《造る事の魅力》も与えて頂ければ幸いです。